住宅ローンが払えなくなって、家を売る場合の流れ
住宅ローンを払えなくなり家を売るときの選択肢は、下記の2つ。
- 競売
- 任意売却
どちらが自分にとって良いのか、見ていきます。
1.競売
住宅ローンの返済が6カ月滞ると不動産は競売にかけられる準備に入ります。6カ月返済が滞った日から、4~6カ月程度で競売での入札が始まります。
2.任意売却
一般物件と同じように、仲介業者が買主を探します。融資してもらった金融機関の了承を得たうえで、競売にかけられる前まで行う事ができます。
*どちらが高く売れる?
競売と任意売却では、任意売却の方が高く不動産を売る事が出来ます。
内覧が出来なかったり、銀行のローン融資が受けられないことが多い、など購入者にデメリットが大きい競売物件と比べ、普通の物件と同じ条件で購入できる任意売却物件の方が購入者にメリットがあります。
一般的に、不動産の価格は競売だと時価相場の6~7割程度になってしまいます。
これは先に書いたように内覧が出来ない事やローン融資が受けられないことに加えて、立退きに際してのトラブルが起こり得る、ということもあり値段が高く付けられないのです。
任意売却は普通の不動産物件と同じように、仲介業者が間に入り仲介してくれます。内覧も出来ますし、競売のように安すぎる値段で売りに出す必要がありません。時価相場そのままにとはいかないですが、任意売却は競売より1~2割高い値段になる場合が多いです。
任意売却の流れとメリット
住宅ローンを契約した際に、融資してくれた金融機関は融資の担保として、購入した不動産に抵当権を設定するのが普通です。
不動産の売却では、このとき設定した抵当権を解除してもらわなくては売却ができません。
抵当権の削除は、住宅ローンの残高をすべて返済しなくては出来ないのですが、中古住宅が値下がりしている世の中ですからローン残高よりも多い価格で家が売れる事はほとんどありません。(うちも2500円で買ったのに1700万に下がりましたから・・・)
ローンの残高よりも低い値段で売却したのでは、ローンを全て返済することが出来ず抵当権が解除できません。
ここで任意売却の登場です。金融機関に任意売却をすることの了承を得た上で、競売にかけられる前に一般物件と同じように買い手を探します。
ようするに、競売にかけられ安い値段で売られてしまう前に、少しでも高く売ろう!というのが任意売却です。ちなみに任意売却では、交渉すれば引越し費用の負担もしてもらえます。
*任意売却のメリット
- 競売よりも高く売却出来る。
- 任意売却は金融機関の了承を得た上で行うものなので、売却後万が一ローンの残債が残ってしまった場合でも、無理のない範囲で債務の支払額が決定される。
- 交渉次第で引越し費用の捻出もしてもらえ、家を出る時期も買主と相談し計画的に準備ができる。
- 競売のように近所に知られることがない。
*任意売却の流れ
基本的に、家を売るだけの場合と流れは同じです。なにより大切なのは「より高く家が売れる」ことです。
任意売却では、ローン残高を少しでも減らさなくてはなりませんから仲介業者選びも慎重に行う必要があります。
必ず複数の業者に査定してもらうべき
いくつかの業者に査定してもらい、事情を相談してみましょう。査定額は10%くらい前後すると言われています。
まずは不動産一括査定を利用し複数の業者に家を査定してもらいます。
担当者との相性も大切です。事情が事情なだけに、こちらの立場に立って親身に対応してくれる人でないと安心できません。
競売にかけられるとインターネットにも掲載されてしまうし、近所の人に知られる可能性が上がりますが、任意売却では不動産屋が気を付けてくれさえすれば単に家を引越して行ったようにしか見えません。
早ければ早いほど良い
任意売却は、競売が始まる前までに成約させなくてはいけません。競売入札は、ローン返済が滞った日から最短10カ月~12ヵ月で始まります。
日にちが経過してしまえばしまうほど、出来る事が少なくなってしまいます。
ローンが滞納してから5カ月目までに相談するのが通常で、それを過ぎてしまうと時間的にも厳しく「計画的に準備できる」という任意売却のメリットも無くなってしまいます。
任意売却を考えたら、すぐに行動に移しましょう。競売にかけられるのを何もせず待つよりも良い条件で売れる可能性が高いです。まずは不動産一括査定を利用してみるべし!です!
← 売るだけの場合 | 次→家を売るときかかる税金 |